健生は比嘉産業の社長令嬢・玲子と結婚し、豪荘な家で新婚生活を送っていたが、突然玲子の父が命を落とし、健生が比嘉産業の社長に就任した。
        ところが健生は原因不明の熱病に冒されてしまった。彼は危篤状態に陥り、死を予感し若く美しい妻の浮気を心配しだし、「死棺破り」という中国の昔話を持ち出し玲子に語った。
        その内容は、荘周という高貴な学生が永年の修行の末、仙術を会得し帰宅したが、自分の留守中に妻が他の男と浮気していなかったか不安になり、妻を試すというものだった。
        荘周は死に、未亡人となった妻の前に美しい王子が現れた。妻はたちまち王子に心を奪われ、人間の脳みそを食べねば発作が治らない王子の奇病を治すため、死んだ夫の脳みそを取り出そうと棺を斧で打ち破った。
        だが、荘周は死んでおらず、王子も荘周が仙術で作り出した幻だった。荘周は妻の不実を責め、狂乱した妻は火災に巻き込まれて死んだ。
        その話を聞き、玲子はどれだけ健生のことを愛しているかを伝えるために、自ら美しい顔に傷をつけてしまった。
        だが間もなく、彼が一度死を予感したはずの重病がどういうわけか全快し、出社できるようにまでなった。
        そして健生は醜くなった玲子を嫌い、朱美という女性と関係を持ってしまう。さらに彼は、こともあろうに玲子を殺す計画を立て、殺し屋を雇い、玲子と運転手の大場まで殺してしまう。
        しかし、それから毎晩健生は玲子の亡霊に取り付かれ、殺し屋井波の助言で、幽霊が出ないように屍体の足に釘を打った。